SILKYPIXとは?

SILKYPIXシリーズはRAW データやJPEGデータの撮影を強力にバックアップするデジタル現像ソフトです。
パソコンの強力な演算能力を使用して、どこまで高品位の映像を得ることができるか。従来、仕方がないと思われていたデジタルカメラ特有のデメリット、例えば、

  • 高彩度色境界における不自然なエッジ
  • 微細構造部分に乗る偽色
  • 高感度撮影におけるノイズ

などを徹底的に抑制し、高解像度と高い色分離性能を両立させています。目指しているのは、絹のような滑らかで自然な映像、SILKYPIX の名前の由来は、そこにあります。

高解像/高分解能 – より高い分解能を得る –

解像度は、レンズとイメージセンサーの画素数によって決まると一般には認識されていますが、現像処理の中のデモザイクという処理が大きな鍵を握っています。つまり、RAW データで撮影して、SILKYPIXシリーズで現像することで、より高い分解能を得ることが可能です。

  SILKYPIX     JPEG     TIFF     現像ソフトA     現像ソフトB     現像ソフトC  

高い色分離性能 – 独自方式のデモザイクロジックを搭載 –

彩度の高い色境界で、エッジの色が抜け落ちて、白い偽輪郭が発生するデジタルカメラ特有の現象があります。これこそがデジタルっぽい絵と言われる所以なのです。これは、輝度(明るさ)の分解能に比べ、色(色相)の分解能が低いために発生する現象です。
SILKYPIXでは、色の分離が良好で、高彩度境界において、ジャギや疑似輪郭、偽色の発生がほとんどありません。 白と黒の境界はうまく表現できるのに、濃い色の境界は、ピントが甘くなったようにボケたり、ジャギが出たり、境界に白や黒の無彩色部分ができたりと、従来技術では色分離の悪さが原因となって、映像を汚す悪い現象をいくつも抱えていました。
SILKYPIXシリーズでは、色分解能を高めるために、まったく新しい方式のデモザイクロジックを搭載し、高い色分解能を実現しています。

シアン – イエロー境界の分離

原画
SILKYPIX
難しいとされるシアンとイエロー境界でも、高い解像度で奇麗に分離されているのが見て取れます。
現像ソフトA
輪郭がおぼろげで、解像度が足りていないのが分かります。
現像ソフトB
輪郭が黒ずみ、色分離がうまく行われていないのがわかります。

レッド – ブルー境界の分離

原画
SILKYPIX
やはり難しいとされるブルーとレッドの境界でも、高いレベルで分解できています。
現像ソフトA
赤い部分が変色し、分離がうまく行われていない。
現像ソフトB
赤がやや朱色を帯び、境界の青部分に黒っぽい色が乗っている。

マゼンタ – グリーン境界の分離

原画
SILKYPIX
マゼンタもグリーンも綺麗に分離され、どちらも良好な発色を示しています。
現像ソフトA
輪郭に角ばった部分が多く出現し、更に黒っぽい色が乗ってしまっています。
現像ソフトB
Cの左上の曲線部分が大きく輪郭よりはみ出ています。また、全体的に彩度が低く再現されています。

理想的な周波数応答 – あらゆる周波数に対して理想的な特性 –

SILKYPIXは、限界解像度までのあらゆる周波数に対して理想的な特性を示します。
単に限界解像度だけを高くしても、そこに至るまでの様々な空間周波数領域において、リニアリティの高い分解を実現しなければ、良好な映像は得られません。
SILKYPIXでは、限界解像度の高さだけでなく、あらゆる周波数帯域で、まんべんなく高い性能を確保することに成功しています。 これによりモアレのような醜い現象をも抑え込んでいるのです。

空間周波数応答特性図(模式図)
SILKYPIX
異なる空間周波数からなる解像度チャートのほぼ全域において、偽色やモアレの発生がほとんど観測されず、連続する空間周波数面でフラットな特性を持っている事が解ります。
現像ソフトA
低い周波数領域から、全域にかけて偽色が発生しているのがわかります。
現像ソフトB
高い周波数領域での分解能は出ていますが、やはり偽色が発生しています。

低偽色 – 高度なピクセル値予測ロジック –

現在のほとんどのデジタルカメラが搭載しているイメージセンサーは、カラー画像を得るために、ベイヤー配列と呼ばれる構造を持っています。
これは、1つのセンサーで 光の三原色であるR,G,Bを同時にサンプリングするのではなく、どれか1色だけをサンプリングするもので、RGBそれぞれのセンサーを順に並べて配置する事で、全体としてカラー画像を得る様になっています。
このベイヤー配列は、その性質上、エッジ部や、微細な構造の部分に色付きが現れます。これが偽色と呼ばれるものです。偽色は、レンズの収差によって、主に画像周辺に起こるもの、屈折率の違いから焦点の軸上で焦点が前後方向に分散する為に発生するもの、高い空間周波数において折り返し誤差が発生するもの、イメージセンサーの電荷漏れによって起こるものなど、様々な原因により発生します。

SILKYPIXシリーズでは、高度なピクセル値予測ロジックによって、この偽色を高いレベルで抑え込んでいます。実は、先に挙げた高分解能と低偽色は相反する性質があり、高分解能を達成すると偽色が増え、偽色を抑制すると分解能が低下してしまいます。SILKYPIXシリーズでは、この両方を非常に高いレベルで両立させています。

   偽色サンプル       偽色抑制サンプル    

高感度撮影時のS/N向上 – 高感度撮影においても驚くほど清潔な映像 –

S/Nとは解像度とノイズレベルのバランスです。
ノイズリダクションの効果と解像度はトレードオフの関係にあります。暗い被写体を高感度で撮影すると、イメージセンサーのノイズによって、デジタルカメラ特有の色ノイズが乗ってしまいます。これは人間にとってとても気持ちが悪いもので、これを嫌うが故に高感度撮影をあきらめている写真家の方も多いと思います。
SILKYPIXシリーズでは、この色ノイズを低減する機能を持っており、高感度撮影においても驚くほど清潔な映像を生成することが可能です。これによって、撮影方法や被写体に幅が広がり、新しい作画を可能にするのです。

高感度撮影時の色ノイズ比較

ハイライトの色相ズレを抑制 – 色相ずれを高いレベルで抑制 –

ハイライト部分で色相が回転してしまう現象を抑え込む機能を搭載しています。
例えば、人物撮影において、肌をハイライトに飛ばすまでに露出を上げると、肌色から白く飛ぶまでのハイライト境界部分が黄色く色付きを起こしやすくなります。SILKYPIXシリーズでは、この色相ずれを高いレベルで抑制し自然なハイライト再現を実現しています。

忠実な色再現性と被写体に合わせたカラーモード – 独自のカラーマッチングロジックを搭載 –

SILKYPIXシリーズでは、様々な光源下で正確な色が再現できるよう、多くのテスト映像から得られた複数のカラーマッチングデータを使用した独自のカラーマッチングロジックを搭載しています。
蛍光灯、電球、ろうそく、夕焼け、ストロボ光や、それらのミックス光等、さまざまなスペクトル分布の光源に対して、高い精度のカラーマッチングを実現しています。これによって、色再現性の低下する苦手な光源がほとんどなくなります。
SILKYPIXシリーズでは、独自の色作りを行うことなく、素直で彩度リニアリティの高い映像を出力する事が可能です。 またそれ以外にカラーモードという色再現の方向性を決める2つのモード設定を備えています。
色は、必ずも忠実な色再現だけが「綺麗な色」の写真を作るとは限りません。我々人間が記憶の中に残っている色、あるいは、この物体がこうあって欲しい色は、実際とずれていることが分かっています。 記憶に残っている色、あるいは、期待している色が写真として再現されたとき、「綺麗な色の写真」に見えるのです。
その特性を活かしたのが、「記憶色」モードで、記憶色や、期待する色の傾向に合わせて色作りを行います。また記憶色では再現が難しい、人物の肌を綺麗に再現する「美肌色」モードも備えています。
これは、実際の肌色を中心とした色をできるだけ「綺麗な肌色と期待する色」に近づけるとともに、近くの色とのバランスを取る必要性から、 肌色から遠く離れた色以外は、全体に彩度を落とし、かつ明度の高い表現とするものです。
SILKYPIXシリーズでは、これらのカラーモードを用いて、風景や人物などに適した色再現を実現できます。

標準色記憶色