”CP+2018”コラボレーション企画第二弾。マウスコンピューター様とのコラボレーション企画『RAW現像用のパソコンを買い替える際に絶対に知っておきたい4つのこと!』をご紹介いたします。
はじめに
最近ではRAW現像などで画像編集を行い作品を仕上げている方も多いのではないでしょうか?
SNSなどのWEBで使うにしても、プリント作品にしあげる場合でも撮影時の状態から気になる部分を少し補正してあげるだけで写真の完成度は高まります。
デジタルカメラや撮影の事に詳しい方でも、パソコンについてはそんなに自信の無い方もいらっしゃると思いますので、本記事では株式会社マウスコンピューター(以下マウスコンピューター) コンシューマ営業統括部の森 裕貴様に「RAW現像用のパソコン選び」や最近のトレンドについてお聞きしました。
株式会社マウスコンピューター コンシューマ営業統括部 コンシューママーケティング室
森 裕貴 様
マウスコンピューターのご紹介をさせていただきます。
マウスコンピューターでは「BTO(Build To Order)」と呼ばれる、受注生産によってお客様の使用目的に応じた最適なスペックのパソコンをご提供しています。基本スペックはありますが、ご注文時にCPUやメモリなどのパーツを用途やご予算に応じてお選びいただきカスタマイズすることができます。パソコンのパーツは組み合わせによる相性などもありますので、パソコンを一から自作する場合はパーツ選びが少し難しいのですが、「BTO」ならパーツごとの相性はメーカー側で検証されたものの中から各パーツのスペックをお選びいただけますので、パソコンに詳しく無い方でもカスタマイズすることができます。
もちろんお選びいただいた構成が組みあがった状態でお届けいたします。
マウスコンピューターでは「DAIV(ダイブ)」と呼ばれるクリエイティブな作業をされる方に適したパフォーマンスを提供する画像編集用のシリーズも展開していますのでRAW現像される皆様にはこちらをお薦めしています。
それではRAW現像(画像処理)をするパソコンを購入する際に押さえておきたい4つのポイントをご紹介させていただきます。「BTO」でパーツをカスタマイズする際の参考となればと思います。
1.CPU
CPU(プロセッサーとも呼ばれています。)は画像処理などの演算を行う部分になります。RAW現像用のパソコンを選ぶ際に特に気になるのはその「処理速度」ではないでしょうか?
CPUの処理速度を検討する際には以下の2つがポイントです。
■コア数/スレッド数は処理効率
コア数とはそのCPUに「コア」と呼ばれる演算装置が何個搭載されているのかを表します。また「スレッド」と呼ばれる一つのコアを論理的に複数とみなして分散して使う方法もあります。これらは「マルチコア」や「マルチスレッド」とも呼ばれていて数が増える程、複数の処理を同時に行う事ができるため、理論上は処理速度が向上します。
しかしこのマルチコアやスレッドの性能を最大限引き出すためには、それを効率良く使うアプリケーションの設計が必要です。SILKYPIXシリーズはマルチコアに対応していますので、コア数の多いものを選べばそれに応じて処理も早くなるソフトウェアだと思います。
■クロック周波数は処理速度
コア1個あたりの処理速度は「XXGHz(ギガヘルツ)」のクロック周波数で表記されます。数字が大きいほど処理速度が速いことを意味していますので、例えば「1.4GHz」と「3.2GHz」では3.2GHzの方が処理速度が速いことになります。
車好きな方ですと4気筒のエンジンと8気筒の違いが「コア数」でシリンダー一本あたりの排気量が「クロック周波数」、その2つでエンジン全体のパワーや総排気量が決まるのと同じようなイメージです。
この2つのバランスがRAW現像ソフトの場合、現像処理の時間に影響がある部分です。よりコア数が多い程、クロック周波数が高い程、処理速度は速くなります。
■RAW現像時間は「画素数」と「現像枚数」に比例
そして、「写真一枚にかかる現像処理の時間」はデジタルカメラの「画素数」に比例します。
例えば1200万画素のカメラから3600万画素のカメラに買い換えたとします。そうすると処理しなければならないピクセル数は3倍に増えていますので、同じCPUでこの2つを現像した場合後者は処理時間も3倍近くになります。
また、連写ができるカメラも増えており一回あたりのショット数も増えている傾向にある方もいらっしゃるのではないでしょうか?処理する枚数が増えれば当然その分現像処理の時間もかかります。
今後デジタルカメラがどのような割合で高画素になっていくのかわかりませんしメモリーとは違い、後からCPUを交換するのは大変です。ですので高画素なカメラをお使いの方、または今後カメラの買い替えを検討されている方はご予算の範囲内で高スペックなCPUをお薦めします。
2.32bit OSと64bit OS
最近のOS※1(Windows)は32bitと64bitが選べるようになっています。この2つの違いは最大メモリー量に関係してきます。RAW現像ソフトを使うのであれば64bit OSをお薦めしています。ここで32bitと64bit OSの違いをご紹介します。
※1 オペレーティングシステムとはコンピューターを管理、制御する基幹ソフトです。パソコンではMicrosoftのWindowsやApple,Inc.のmac OSが有名です。
■32bit OS
32bit OSではOSが認識できる最大のメモリー容量が4GBまでとなります。そのため、4GB以上いくらメモリーを増設しても4GB以上は認識されません。事務用やモバイル用のパソコンなどあまり大きなファイルを扱わない場合は32bitでも良いのかも知れませんが、大きなデータを扱うRAW現像ではできるだけメモリーも増やしたいところです。また、新しいOSではOS自体が使用するメモリー容量も増えて来ています。32bit OSでは最大認識容量が4GBの他に、1つのプログラムに対して割り当てる事が出来るメモリー容量が1GBまでと非常に少なく、パソコンは読み込んだデータを一時保管場所としてメモリー上に展開しますが、1GBでは足りなくなり、データの読み込み/処理途中であっても、作業を進める事が出来ず、プログラムエラーが発生し、強制終了となってしまいます。使用メモリーが最大4GBを超えるとパソコンの動作が遅くなってしまいます。
■64bit OS
64bit OSではWindowsの種類にもよりますが、128GB以上のメモリー※2を認識し使用できます。そのため、カメラを買い換えて画素数が増えるなど使用環境が変わった場合にはメモリーを増設することでパフォーマンスの改善が見込まれます。
※2 最大メモリー搭載量はパソコンの仕様に依存します。
また、SILKYPIX Developer Studio 8シリーズは32bit OSでも動作しますが64Bit OS/メモリー8GB以上推奨ですのでSILKYPIXをお使いの場合、よほど特別な事情が無い限り、今お使いの環境が32bitの場合は今後64bit OSを選択するべきだと思います。
3.メモリー
メモリーはRAW現像の場合、開いたRAWファイルを一時的に貯めておく器のようなものです。
メモリーに蓄えられたデータはSILKYPIXなどのアプリケーションから高速にアクセスできるようになるのでメモリーが増えることで画素数の多いデータでも快適に処理することができます。逆に画素数がメモリーに対して大きくなり過ぎ容量を使い切ると「仮想メモリ」と呼ばれるハードディスクをメモリーの代わりに使うようになり動作が遅くなったりすることがあります。64bit OSと合わせてお使いのカメラの画素数に合わせたメモリー容量を選択すると良いのではないでしょうか?
4.ストレージ
現在では従来のHDD(ハードディスクドライブ)に加えてSSD(Solid State Drive)と呼ばれるフラッシュメモリータイプで高速な読み書きが可能なストレージも増えてきています。
ストレージの読み出しの速度はSILKYPIXですと、RAWデータを読み込みサムネイル表示する時間やRAW現像した後のJPEGやTIFFを保存する時間に影響があります。RAW現像用のパソコンを購入するのであれば、ストレージ全てをSSDにできれば良いのでしょうが、SSDはHDDと比べて高価であったり、容量もHDDの方がまだ大きいため「OSやプログラムなどの起動ディスクをSSD」に設定し、「データ保存用のディスクはHDD」に設定しておくなど使い分けることもできます。また、SILKYPIXは「キャッシュ」と呼ばれるソフトウェアを高速に動かすために一時ファイルを自動生成していますがそれが初期設定ではCドライブになっていますので、Cドライブ(起動ディスク)をSSDにしておくことで、この「キャッシュ」の読み込み速度が速くなりパフォーマンスの向上が見込まれます。
HDDにも読み出しや書き出しの速度があり、XXXXrpmと表記されているのがHDDの回転スピードで、数字が大きくなると高速になってきます。
その他
この他にもグラフィックスと呼ばれるビデオカードの出力解像度が4Kモニターに対応しているか、DVDやBlu-rayドライブを付けるかどうかなどのオプションがあります。
さらにHDDを増設していきたい、少しずつ部品を変えて強化していきたい方などは電源の容量(W/ワットで表記)で高めのものや電力変換効率の良いものを選んでいただくことで安定して動くのではないかと思います。
また高スペックなCPUは非常に高温となるため、冷却性に優れたCPUクーラーのBTOや、冷却性能と静音性を両立する水冷式のCPUクーラーもBTOのラインアップで取り揃えており、作業時の集中力を欠かないシステム構成を構築する事が出来ます。
まとめ
SILKYPIXはRAWデータから高画質な写真を得るために妥協の無い画像処理技術を使い、またそのため新しいCPUへの対応も積極的に行われていてパソコンのスペックに答えてくれるソフトウェアだと思います。マウスコンピューターではそのSILKYPIXをどなたでも快適にご利用いただけるよう、DAIVシリーズにSILKYPIX推奨を取得したRAW現像用のパソコンをご用意しているので、お買い換えに際に、是非検討してみてください。