サンプルRAW

ホワイトバランス/階調補正編

気温が高い時期に望遠レンズなどで遠景を撮影すると、水蒸気などの影響で写真全体に薄い膜が貼られたようにぼんやりとした描写になる場合があります。

今回の作例ではそのような遠景の霞をコントロールして霞の雰囲気を活かした印象的な写真へ仕上げる方法と共にホワイトバランスの設定例をご紹介します。


RAWデータの開き方やJPEGへの変換方法の手順など、RAW現像初心者の方や、SILKYPIXの基礎を学びたい方は初めに「SILKYPIXをつかってみよう」をご覧ください。

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ファイルサイズ:79.9MB (83,850,195バイト)


調整前

データを開いたままの状態です。まずここで調整の目標を決めます。3_05_01

① 写真が傾いている

絵柄に対して少し傾いているように見える。

② 写真全体の色調が青い

朝日の暖かな色を表現したい。

③ 霧の感じが弱い

遠景の霧の立体感をもう少し強く出したい。

④ 霞が強く少しぼんやりしている

手前の山付近はもう少しくっきりと見せたい。

霧の山麓を背にした海の街の写真です。
霧の雰囲気を残しつつ、写真のトーンをコントロールして写真に奥行を出して行きます。


回転

写真の傾きを補正する3_06_01

まず傾きが気になるので「回転・デジタルシフト」の中の「回転」で調整します。
スライダーを動かしている間は画面にグリッド(升目)が表示されるので、補正の参考にしてください。


回転ツールの特徴

SILKYPIXの回転ツールはここが便利

3_07_01

① 内接する画像の縦横比で自動トリミング

② 回転すると絵柄が切れる場所がでてくるので要注意です。

画像を回転させると、通常絵柄の無い余白部分が出てきてしまいます。SILKYPIXの回転ツールは、この余白が出ないように自動的に画像の縦横比でトリミングを行います。


露出(明るさ)の調節

霧の雰囲気を強く出すために露出を暗く設定3_08_01① 明るすぎて階調の弱い赤枠の部分を霧の表情が出てくる位まで露出を暗く補正

露出補正 調整値:-0.4EV(暗く補正)3_08_02

見せたいポイントで露出を決める

この写真の特徴は「霧がかかる」街です。そのため、主題が霧となっています。露出を暗くすることで街並みの部分は少しアンダー気味になりますが、まずは見せたいポイントで露出を決定しましょう。
(暗い部分は次で調整します。)


HDR-覆い焼き

暗部を明るく補正する

3_09_01街並みが少し明るくなるまで「HDR覆い焼き」を強く補正する。

HDR覆い焼き 調整値:(+50)

3_09_02「HDR-覆い焼き」は画像の中から暗い部分を自動で検出して明るく補正する機能です。

HDRの強過ぎには注意

HDRは明るすぎるハイライトを暗く、暗すぎるシャドーを明るくしてくれる便利な機能です。しかし、強く適用し過ぎる
と明暗のバランスが逆転し、不自然な仕上がりになる場合があります。写実的な仕上がりを目指す場合には程々に。


ホワイトバランス

写真全体の色調を調整し色かぶりを緩和する3_10_01

ホワイトバランス 設定値:AUTO(絶対)

3_10_02写真全体の色味が青っぽいのでオートホワイトバランスで青かぶりを緩和させます。

色調がおかしいと思ったらまずはSILKYPIXのオートホワイトバランスをお試しください。

写真全体の色がイメージと異なっていた場合にはホワイトバランスがイメージと違う場合があります。
まずはSILKYPIXのオートホワイトバランスを使用し、正しいホワイトバランスにすると次ページの作業を行いやすくなります。


ホワイトバランス応用

太陽光の色味を表現する3_11_01

色温度 調整値:6673K(ケルビン)⇒7100K(ケルビン)

3_11_02 暖かい朝日の色を感じる位までホワイトバランスの「色温度」をオレンジ側へ調整

ホワイトバランスで光の色を表現調

この写真は朝太陽が昇った直後に撮影しています。調整前の青系の色調だと「日の出前」のような雰囲気に見えてしまい
ます。そのため、ホワイトバランスを調整して、朝日の暖かさを表現できるものを選択しました。


トーンカーブ

中間調の調子を暗くし、霞の雰囲気を調整する3_12_01

トーンカーブ

3_12_02ハイライトより少し下の中間調を暗く補正

① できるだけ変化させない
(主に霧の部分の明るさ)

② 暗く補正
(主に街や手前の山脈の部分の明るさ)

ホワイトバランスで光の色を表現調

この写真は朝太陽が昇った直後に撮影しています。調整前の青系の色調だと「日の出前」のような雰囲気に見えてしまいます。そのため、ホワイトバランスを調整して、朝日の暖かさを表現できるものを選択しました。


調整前/調整後

霧の階調を出しつつ霞による遠近感も強調し比較的ニュートラルな仕上がりになりました。3_14_01


参考

完成の状態からコンセプトを変えて、まだ日が出る前の薄暗い雰囲気を表現したい場合には、露出
暗め、ホワイトバランスで青く調整する方法もあります。3_15_01

露出補正 調整値:-1.0EV(1段)

ホワイトバランス 設定値:5500K

3_15_02


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