トーンカーブを使いこなす

トーンカーブとは?

トーンカーブとは写真の明るさや明暗の比率(コントラスト)を自由に調節するためのものです。
「トーン」とは「調子」と言う意味で、写真では軟調~硬調などのような用語としても使われます。その「調子」を曲線を使って思い通りに調節できるのがトーンカーブです。

トーンカーブ

ヒストグラムの見方

トーンカーブを使う前に理解しておきたいのが、トーンカーブの背景にある「ヒストグラム」と呼ばれているものです。
「ヒストグラム」とは写真に含まれる明るさの分布をグラフで示したものです。

ヒストグラムの見方

コントラストを高く設定する

トーンカーブを使用してS字のようなカーブを描くとコントラストの高い「硬調な写真」になります。

作例: コントラストを高く設定

S字カーブを描くと「暗い部分はより暗く」、「明るい部分はより明るく」再現されるため明暗差の大きないわゆるコントラストの高い写真になります。

S字カーブを描くトーンカーブ

S字カーブの形をヒストグラムと照らし合わせて見てみると、もともと明るい部分は赤い線より上へ補正されています。これは明るく補正されていることを意味しています。
また暗い部分は赤い線から下に補正されています。これは暗く補正されていることを意味します。そのために明暗差が大きくなりコントラストが強くなるのです。

コントラストを低く設定する

次に逆S字のようなカーブを描くとコントラストの低い「軟調な写真」になります。

作例: コントラストを低く設定

逆S字カーブを描くと「暗い部分は明るく」、「明るい部分は暗く」再現されるため明暗差の小さなコントラストの低い柔らかい雰囲気の写真になります。

逆S字カーブを描くトーンカーブ

逆S字カーブの場合は、もともと明るい部分は赤い線より下へ補正されています。これは暗く補正されていることを意味しています。
また暗い部分は赤い線から上に補正されています。これは明るく補正されていることを意味します。そのために明暗差が小さくなりコントラストが弱くなるのです。

構成点追加ボタンの活用

トーンカーブは慣れるまで少し操作が難しいかも知れません。そこで「構成点追加」ボタンを使うと簡単にトーンの設定を行うことができます。

初めに、構成点追加ボタンを押すとプレビュー画面上でマウスカーソルがスポイトの形になります。

構成点追加ボタンを押すとプレビュー画面上でマウスカーソルがスポイトの形になる

次に、マウスカーソルがスポイトの状態で次の3つのポイントを選び、画面をクリックします。

  • 明るくしたい部分
  • あまり明るさを変更したくない部分
  • 暗くしたい部分

マウスカーソルがスポイトの状態で3つのポイントを選び画面をクリックする

トーンカーブ上に指定したそれぞれの構成点が追加されます。

そして、トーンカーブ上で

  • 明るくしたい部分の ○ を上に動かす(明るく補正)
  • 暗くしたい部分の ○ を下に動かす(暗く補正)

トーンカーブ上で補正する

このように、画面上で狙った部分の明るさを変更しトーンを設定することができます。

その他トーンカーブの使用例

写真の中間調の明るさもトーンカーブで調整することができます。
弓なりのカーブを描くと中間調を中心に補正するので、露出補正とは異なり明るい部分や暗い部分での明るさの変化が少ないのが特徴です。

中間調を明るく補正

作例: 中間調を明るく補正

中間調を明るく補正した時のトーンカーブです。
中心の赤い線より全体的に上へ(明るく)補正されています。このように調整することを「ハイキー表現」とも呼ばれています。

中間調を暗く補正

作例: 中間調を暗く補正

中間調を暗く補正した時のトーンカーブです。
中心の赤い線より全体的に下へ(暗く)補正されています。このように調整することを「ローキー表現」とも呼ばれています。

トーンカーブでレベル補正

トーンカーブはS字や逆S字カーブを描いてコントラストを自由に調節するだけでなく、黒と白のレベル補正にも使うことができます。レベル補正とは、暗い部分を締めたり、明るい部分を白くしたりする調整方法です。

レベル補正

レベル補正が効果的なシーン

曇天や水蒸気の影響で写真が白っぽく霞んでしまった場合にはレベル補正をすることでクリアな写真になります。

作例: レベル補正

調整のポイントは黒がつぶれ過ぎないよう、また、ハイライトも極端に白とびさせないようにすると良いでしょう。