RAW現像実践編

自然風景などロケーション撮影の他にもテーブルの上に好きなものを並べて撮影するテーブルフォトも楽しいものです。今回はそのテーブルフォトをテーマにSILKYPIX Developer Studio SE バージョンを使って写真編集作業の流れをご紹介します。

調整目標を決める

RAWデータを開いたままの状態で最初に調整の目標を決めて仕上がりをイメージしておくと作業しやすくなるでしょう。

作例: RAWデータを開いたままの状態

  1. 1写真全体をもう少し明るく
  2. 2写真全体の赤味を緩和させたい
  3. 3被写体の質感をもっと出したい
  4. 4色鮮やかに仕上げたい

今回はこのような方針を立てました。

写真を明るくする

写真の明るさは「露出補正」で調整します。

作例: 露出補正

背景の赤い花が明るく鮮やかになるように露出を明るく調整しました。また、黒つぶれ気味だった黒いトレーの質感も明るくなることで出てきます。

今回の露出補正のポイント

この例では露出を明るくしたことにより元々明るいナイフやフォークの金属の質感が弱くなってしまいます。露出補正のスライダーを+1.5から徐々に下げて行き、金属の質感がちょうど良いところで露出を決めました。

写真の赤味を緩和させる

作例: 色温度

ホワイトバランスは写真全体の色調を調整する機能です。
撮影時のホワイトバランスでは赤味が強く、リボンの青や金属などの発色が悪く濁って見えてしまいます。そこで、この赤味を緩和するために「ホワイトバランス」タブの中にある「色温度」のスライダーを赤とは反対の青い方向へ調整することで赤味を緩和させます。

被写体の立体感を引き出す

作例: コントラスト

金属などの被写体の立体感を強調する方法として「コントラスト」を高く設定する方法があります。
「コントラスト」とは明暗差の比率を決めるパラメーターでコントラストを高く設定した場合、暗い部分はもっと暗くなり、明るい部分はもっと明るくなります。そのために明暗差が大きくなり、この例では、金属やリボンの立体感が強調されます。

作例: 輪郭強調

コントラストとは別に、シャープを強く設定し、細かい部分をはっきりと見せる事でも立体感が強調されます。シャープは強く設定しすぎると輪郭が不自然になったり、縁取られたりする副作用がありますので、それが起こらない範囲で設定すると良いでしょう。

写真を鮮やかにする

作例: 彩度

彩度を高く設定すると写真全体が鮮やかになってきます。特に、赤や青、緑など原色に近い部分ではその中でもより強調されます。
彩度を高くすればするほど鮮やかさは増しますが、高く設定しすぎると鮮やかな部分でグラデーションが失われ、絵の具で塗ったようになる場合がありますので注意しながら設定してください。

調整前/調整後

作例: 調整前 作例: 調整後

中央のバーをスライドさせると、調整前と調整後の写真を切り替えることができます。

全体の色調が違和感なく仕上がることによって被写体本来の色味に近づきました。そのため、赤や青から色の濁りが取れ鮮やかさがよみがえりました。
また、コントラストやシャープネスを被写体に合った設定にする事で質感や立体感も向上しています。

撮影時にカメラで追い込めなかった設定や、パソコンで画像を開いた時にイメージと違っていた場合にはSILKYPIX Developer Studio SEバージョンを使用してお好みの写真になるように調整してみてください。