RAW現像実践編 ~基本調整の流れ~

夕暮れの日陰の湖畔に佇む白鳥を撮影した写真です。背景には夕日を受けた水面があり、明るさの差が大きく撮影時の露出が難しいシーンです。また、白鳥の色も青っぽくなっていて全体的に濁りのある写真となっています。

作例: RAWデータを開いたままの状態

  1. 1白鳥が暗く青っぽくなっている
  2. 2写真全体が濁って見える
  3. 3コントラストが低く全体的にメリハリが無い

露出補正で主題を明るく

白鳥の色が濁って見える原因の一つに明るさが暗すぎることがあります。
露出補正で明るくすることで白さを引き出します。

作例: 露出補正(補正前)
作例: 露出補正(補正後)

白鳥の背中の明るい部分の階調が白とびしないように気をつけて明るく補正しました。

オートホワイトバランスで色の濁りを緩和する

日陰にいる白鳥が青くなってしまっています。これはホワイトバランスが背景の夕日の色に合っているためです。この場合、ホワイトバランスのテイストから白鳥が白くなるようなものを選択します。

作例: ホワイトバランス(補正前)
作例: ホワイトバランス(補正後)

この例では一番自然に見えるホワイトバランスを選択しました。その結果Auto(絶対)を選択しました。白鳥が白く見えるようになったのと同時に背景の夕日を受けた水面の色も鮮やかに再現されました。

調子で明暗をはっきりと鮮やかに

調子では明暗差を調整することができます。弱い光での撮影時や鮮やかに見せたい風景写真などでは硬調に調整し、明暗差を強調することでコントラスト感のある鮮やかな写真に仕上げることができます。

作例: 調子(補正前)
作例: 調子(補正後)

コントラストが高くなることにより、色も鮮やかに見え、さらに立体感も強調されます。白とびや黒つぶれに注意しながらイメージに近いものを選択してください。

フィルムシミュレーションでさらに鮮やかに

撮影時のフィルムシミュレーションがイメージと異なっていた場合にRAW FILE CONVERTER EX 3.0 powered by SILKYPIXではフィルムシミュレーションを後から変更することができます。被写体や仕上げ方のコンセプトに合わせて色々お試しください。

作例: フィルムシミュレーション(補正前)
作例: フィルムシミュレーション(補正後)

フィルムシミュレーションは「カラー」の中にある「色表現」から変更することができます。「色表現」にはお使いのカメラに搭載されているフィルムシミュレーションが表示されます。

調整前/調整後

作例: 調整前 作例: 調整後

中央のバーをスライドさせると、調整前と調整後の写真を切り替えることができます。

色の濁りも取れ見た目に近いイメージの写真に仕上げることができました。。