シャープネス
シャープネスは写真の輪郭や境界線を検出して強調する機能です。
SILKYPIXシリーズには
- ナチュラルシャープ
- ノーマルシャープ
- ピュアディティール
- アンシャープマスク
の4つの異なるシャープネスが搭載されています。ここでは「ノーマルシャープ」の設定方法についてご紹介します。
デジタルカメラにはなぜシャープネスが必要なのか?
シャープネスを強くし過ぎると被写体の輪郭が不自然に縁取られたり、ギザギザになったりと良い事ばかりではありません。
ではなぜ、デジタルカメラやRAW現像ソフトにはシャープネスが基本設定として搭載されているのでしょうか?
一つ目は、多くのデジタルカメラのイメージセンサーには「ローパスフィルター」と言う、レンズが捉えた像を少しだけぼかすフィルターが前面に取り付けられています。これは細かい周期パターンを持った構造の被写体を撮った時に現れるピンクや緑の縞模様(モアレ)や偽色を防ぐためのものです。このため、撮影されたデータをそのまま現像して写真で見ると少しだけぼやけて見える場合があります。そのローパスフィルターが一度ぼかしてしまった像の輪郭を取り戻すために、「適度なシャープネス」が必要となってきます。
もう一つはレンズの解像力不足があった場合、それを補う役割もあります。
高画素なデジタルカメラになればなるほど、レンズの解像力に対してイメージセンサーの解像力の方が勝ってきます。特に、お使いのデジタルカメラが発売される前のレンズをお使いの場合は、その画素数を想定していない場合もあります。そのような光学系の解像力不足も適度なシャープネスを設定する事で補う事ができます。そのため、ローパスレスのデジタルカメラをお使いの方もシャープネスが必要なケースもあります。
シャープネスを設定する際にはプレビュー画面をダブルクリックするか、表示倍率を変更して100%以上に拡大してください。
プレビュー画面が縮小されていると画面上でピクセルの補間が行われるため、ピクセルの状態が確認できず思い通りに調整する事ができません。
輪郭強調
色や明るさのはっきりとした輪郭部分のエッジを強調します。
ディティール強調
色や明るさの差が小さな細かな構造部分を強調します。はっきりとした輪郭はあまり強調されません。
シャープネスを設定する
シャープネスを設定する前に、シャープネスの副作用について知っておいた方が調整しやすいでしょう。
輪郭が不自然に縁取られる
シャープが強すぎると輪郭の境界線に白や黒など被写体には存在しない線で縁取られる場合があります。
ノイズが強調される
特に高ISO感度で撮影した場合の写真では、シャープネスを高める事で、ノイズも強く出てしまう事があります。
1. シャープネスの上限を知る
輪郭強調を極端に強く設定し、ピント面を100%以上の倍率で表示します。その際に輪郭部分に縁取りがあるのを確認してください。これがシャープネスの副作用です。
2. シャープの上限を探す
輪郭強調のスライダーを動かして少しづつシャープネスを弱めていきます。その際に不自然な輪郭が気にならなくなる所を探します。そこが、その写真において、シャープを設定できる上限となります。逆に言うと、それ以上強く設定すると副作用(不自然な輪郭)が出てしまいます。後は写真の内容に応じて上限以下でお好きな所を探してみてください。例えば、野鳥のアップをポートレートでは好まれるシャープネスの適正値は異なります。