テーマ別調整方法

お料理の写真を魅力的に! 撮影ポイント編

■はじめに

定番料理などのメニューの写真は、広告代理店などに依頼されている飲食店様も多いのではないでしょうか。しかし、日替わりメニューや季節のお料理などをプロのカメラマンに依頼するとなれば、費用はもちろん、撮影の時間やタイミングなども細かな調整が必要となります。

近年、デジタルカメラやスマートフォンの普及により、SNSやメニューに掲載する写真を飲食店様ご自身で撮影されるケースも増えてきたかと思います。

お料理の写真を魅力的に! 撮影ポイント編

お料理の写真は売上を左右します!

お店のお料理や雰囲気、さらにはどんな味なのかを連想する判断材料として大変重要なものです。そのため、SNSやウェブサイトの写真は集客のための重要な要素の一つです。

お料理の写真は売上を左右する美味しそうな写真は自分で撮れる

ここでは、飲食店様向けにお料理の美味しさを伝える写真を撮影するポイントをご紹介いたします。

 

■お料理の美味しさが伝わる写真とは?

下記写真は撮影に失敗した例です。

お料理が美味しそうに見える写真とは?

写真全体が黒っぽく暗い:
写真の明暗、鮮やかさの差が強すぎて、特に色の濃い部分に着目すると暗くなりすぎてしまっています。

料理の色が不自然に濁ってしまう:
白いお皿に着目すると写真全体が黄色っぽく写ってしまっているのがわかると思います。これは店内の照明(電球色)の下で撮影したためで、この環境光の影響が色の濁りに繋がっています。特に緑の発色は鮮度が落ちたように見えてしまいます。

次に撮影に成功した例がこちらの写真です。

撮影に成功した例

写真全体が明るく鮮やかに撮影できています。こちらの方が清潔感があり美味しそうに見えますよね。特にプロ用の機材を使ったわけではなく、一般的なミラーレス一眼カメラで撮影しています。

 

■より美味しさが伝わるように撮影するための3つのポイント

①店内の照明を消し、窓からの外光だけで撮る

①店内の照明を消し、窓からの外光だけで撮る

失敗した写真は真上からの店内の照明(電球色)と窓からの太陽光の2つの光が当たっていました。お皿に落ちた影を見ると二重になっているのはそのためです。

電球色と太陽光ではそれぞれ色合いが違います。デジタルカメラには「オートホワイトバランス」と呼ばれる機能により、本来よりも赤や青に変色してしまう状態を自動で補正してくれる機能が搭載されております。しかし、2種類以上の光が同じ被写体に当たってしまった場合、良好な結果が得られない場合があります。この例では電球色による色合いを補正しきれずに残ってしまい黄色く濁ってしまいました。そこで、店内の照明を消して窓からの太陽光だけで撮影すると自然な色合いになります。

 

②直射日光は避け、逆光気味で撮影する

②直射日光は避け、逆光気味で撮影する

お料理に直射日光が当たってしまうと、影が強くなり、黒っぽい写真になります。そのため、レースのカーテンやロールブラインドなどで光をやわらげたり、直接太陽の光が当たらない場所で撮影するなど、優しい光で撮影するようにしましょう。また、光がお料理に斜め後ろ位から当たるように、撮影する向きを選ぶと被写体に立体感や質感が生まれます。

 

③見せたいものに応じてカメラの高さを変える

プレートの中で手前の1品を目立たせたい場合

プレートの中で手前の1品を目立たせたい場合

カメラの高さを少し下げることで奥行き感が出るため、メインのお料理が引き立ち、それ以外は背景となります。また、少しズームして大きめに撮影しておくことで細かい部分(ディティール)もはっきり見えるようになり素材感を強調できます。但し、プレート全部ははっきりと写っていないので、メニューの写真というよりはインパクト重視のイメージカットとして使うのが良いでしょう。

 

プレート全体を見せたい場合

プレート全体を見せたい場合

カメラの高さを高めにすることで奥行き感が少なくなり手前から奥まではっきりと見えるようになります。お椀の中も良く見えるようになり、プレート全体の献立を伝えるのにはこちらの方が向いています。カメラをこれより高くすると、立体感は弱くなってきます。お料理の盛り付けに合った高さを選ぶことをおすすめします。

 

食材を使ったイメージカット

こちらは食材を使い、真上から撮影したイメージカットです。リズム感のある配置の場合はこのように真上から撮影してみるのもインパクトがあって良い場合があります。

 

■撮影のポイントのまとめ

要点をまとめると

  • お店の照明を消して、窓からの柔らかい自然光(太陽光)で撮影する
  • 質感を出すため、少し斜め後ろから光が入るように位置を決める
  • カメラの高さを盛り付けや見せ方に応じて変える

以上3つがポイントとなります。

スマートフォンでの撮影でも基本は同じです。忙しいお仕事の合間での撮影になるかと思いますが、できるだけ手間をかけずに写真のクオリティを上げることができますのでぜひお試しください。

スマホで簡単に撮る方法は動画でご紹介しております。こちらもぜひご覧ください。

それでもなかなか上手くいかない、もう少し写真のクオリティを上げたい場合には写真調整ソフトを使った調整が有効です。次回の記事では弊社の写真調整ソフトSILKYPIXを使った写真調整についてご紹介いたします。

 


■写真調整ソフトSILKYPIXについて

SILKYPIX Developer Studio Pro11

「SILKYPIX Developer Studio」はデジタルカメラで撮影されたRAWデータから、思い通りの高品位な画像に仕上げることのできる写真調整ソフトです。濁りが無く正確な色再現性、シャドー(暗部)からハイライト(明部)まで表現力豊かな階調性、高ISO感度であってもノイズが少ない優れたノイズリダクションを実現します。目指しているのは、絹のような滑らかで自然な映像、SILKYPIXの名前の由来はそこにあります。