機能紹介

SILKYPIX Developer Studio Pro7新機能「RAW現像エンジン」

2015年12月15日に発売した『SILKYPIX Developer Studio Pro7』の新機能をご紹介していきます。
SILKYPIX Developer Studio Pro7は円形/段階補正フィルタによる部分的な色調の補正や、全く新しい輪郭検出アルゴリズムによるシャープネスを搭載したプロフェッショナル向けRAW現像ソフトです。

 

今回は暗部からハイライトまで階調性が向上したRAW現像エンジンについてご紹介します。

階調性向上

上の写真はDeveloper Studio Pro6とDeveloper Studio Pro7でRAWデータを開いたままの状態(初期値)を比較した例です。
炎の中心部から周囲にかけてのグラデーションの繋がりにご注目ください。Developer Studio Pro7ではイライト(明部)の「色再現性」や「階調性」が大幅に向上しています。
これは現像エンジンの改良によるもので、RAWデータの持つ情報をさらに深く解析することで、現像処理レベルでのダイナミックレンジを拡げる事を達成しています。
さらに様々なケースで比較を見ていきましょう。

 

 

①露出マイナス補正(減感)時の白とび部分の色と階調の繋がり

露出減感_1

広角レンズや魚眼レンズなどでは、画角内に太陽が入ってくるケースも多いでしょう。
そのようなシーンで露出オーバーな写真に対してDeveloper Studio Pro6とDeveloper Studio Pro7
でそれぞれ露出を-1.5EV(マイナス1.5段)補正したものとなります。

ハイライトの階調性1

RAW現像で露出をマイナス補正する場合、明るい部分の階調を引き出すため、より多くのハイライト情報を使う事となります。
-Developer Studio Pro6
白とびしている部分(太陽)と色が残っている部分(空)の境界線にグレーの輪郭が現れます。この部分はイメージセンサー上でRGBの 画素のうちどれか一つ、または2つが飽和(白とび)した部分となります。
-Developer Studio Pro7
白とびまでの限界を高め、さらに階調性を向上させる事で、白とび部分と色の不自然な境界線も無くなります。 これにより、Developer Studio Pro7では

 ■減感耐性及び減感時の画質が向上しています。


 

②露出マイナス補正(減感)時の色の復元性向上

ハイライト_1

 

ハイライトが白とびした部分でもRAWデータ上に情報が残っている場合にはRAW現像時に露出をマイナス補正する事で白とびを復元できる場合があります。この例では色が残っている部分から白とびした部分にかけての「階調性」や「色」を比較したものとなります。以下は上の写真を-1.5EV(マイナス1.5段)補正したものとなります。

ハイライト_2

RAW現像で露出をマイナス補正する場合、明るい部分の階調を引き出すため、より多くのハイライト情報を使う事となります。
-Developer Studio Pro6
白とびしている部分は復元されています。しかし、グラデーションの変化が急激だったり、色相(色合い)が変化して 不自然な仕上がりに感じます。
-Developer Studio Pro7
Developer Studio Pro6の結果と比較し、グラデーションの繋がりも良好で色の変化も少ないのがお分かりいただけるのでは ないでしょうか?これは現像エンジンの改良により、RAWデータの持つハイライト情報を「より多く」、「より正確に」再現できるからです。Developer Studio Pro7は

 ■露出マイナス補正時の色の再現性が向上しています。


 

③ダイナミックレンジ拡張時の画質向上

DR拡張

SILKYPIXシリーズには白とびした部分のみを復元する「DR(ダイナミックレンジ)拡張」と言う機能が搭載されています。こちらは「ハイライトコントローラ」の中の「ダイナミックレンジ」から補正を行うことができます。
Developer Studio Pro7ではこのDR拡張を強く適用した際の画質が向上しています。以下は白とびを復元した際の比較となります。

DR拡張2

-Developer Studio Pro6
復元できた部分とできなかった部分にグレーの輪郭が現れています。
-Developer Studio Pro7
復元できた部分とできなかった部分の階調の繋がりが自然です。
Developer Studio Pro7は

 ■ダイナミックレンジ拡張時の階調の繋がりが良くなっています。


 

④暗部の解像感向上

暗部の解像感

Developer Studio Pro7は「RAW現像エンジンの改良」と新シャープネス「ナチュラルシャープ」の採用によってRAWデータを開いたままの状態(初期値)でも暗部の解像感やディテールの再現性が向上しています。特に以下拡大写真の赤丸の部分のディテールの違いにご注目ください。

暗部の解像感

RAWデータの暗部ではレンズから入ってくる光の入力レベルが低いため(例えば現像後のRGB値ですとR30,G20,B10など)

  • 入力レベルと
  • ノイズレベルの差(比率)

が小さくなる傾向にあります。そのため、暗くなれば暗くなる程、実像とノイズの分離が難しくなり、像がぼやけやすい傾向にあります。Developer Studio Pro7ではRAW現像エンジンレベルでこの精度を高めると共に、繊細な描写力の新型シャープ「ナチュラルシャープ」により、暗部でも像のぼやけが少ない高い解像感を実現しています。


SILKYPIX Developer Studio Pro7は現像エンジンの改良により

  • ハイライトの階調が向上しています。
  • 補正範囲や補正時の画質が向上しています。
  • 暗部の解像感が向上しています。